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【座談会:前編】今、リスクマネジメント部で求められる人材とは


穴田圭/竹井康活/伊藤亜梨沙
左から 穴田圭/竹井康活/伊藤亜梨沙

Profile

 

穴田 圭 / Kei Anada …リスクマネジメント第三部長


1998年4月 新卒で住友商事入社。

米国住友商事株式会社(ニューヨーク)・投資事業部、生活産業総括部、シカゴ大学大学院修了・MBA。 メディア・生活産業総括部部長付、米国住友商事株式会社(ニューヨーク)投資事業部ダイレクター、リスクマネジメント部署の部長代理を経て、国内ケーブルテレビ事業会社に投資管理室長として出向後、現職。


 

竹井 康活 / Yasukatsu Takei …リスクマネジメント第三部チーム長


国内証券会社・金融機関で証券アナリスト業務・M&Aトランザクションサポートに従事した後、住友商事に入社。

メディア・ライフスタイル分野の投資支援・審査等業務、現SCGR(住友商事グローバルリサーチ㈱)に出向し、当社関連事業の業界調査、その他全社企画業務を担当。資源・化学分野の投資支援・審査業務等に従事後、旧EMEA&CIS地域及び欧州住友商事における経営企画や欧州地域のリスクマネジメント部署の副部長を経て、現在は輸送機・建機分野の投資支援・審査業務等でチームリーダーを務める。


 

伊藤亜梨沙 / Arisa Ito …リスクマネジメント第三部サブリーダー


監査法人・外資系証券会社でアドバイザリー業務・金融商品リスク管理業務に従事。海外大学院留学(コロンビア大学国際公共政策修士課程)を経て、アジア大洋州住友商事・投資事業部へ入社。インフラ・資源・化学品及び、自動車・建機を担当。その後、住友商事本社にキャリア採用として入社し、輸送機・建機事業部門の投資支援・審査業務等に従事。2023年4月からは海外事業会社の社外取締役も兼任。


 


新卒もキャリア採用も、多様な人材がいるリスクマネジメント部


ーこれまでのキャリアを教えてください。


穴田

私は新卒で住友商事に入社しました。1998年という入社当時、未だ事業投資が今のように一般的ではなく、実際の仕事を通じて学んでいきました。当時はメディアやインターネットビジネスなど、新しいビジネス分野を担当していたのですが、日本で新会社を設立したり、米国のベンチャーへ出資したり、事業投資の形態が多様化し、金額も大きくなりつつある。そんな時代に、営業部隊と一緒に動き、事業投資のノウハウや経験を蓄積してきました。基本的には、一貫して事業投資のスペシャリストとして、社内で営業を支える仕事に従事してきましたが、メディア・インターネットビジネスの後は、数年毎に担当領域が変わり、バナナ事業といった農業や、サミット・トモズ等の小売りなど、幅広い事業分野に携わりました。


勤務拠点も日本だけでなく、米国に複数回駐在等、広く経験してきました。


穴田 圭 / Kei  Anada …リスクマネジメント第三部部長

その後、2021年から日本のケーブルテレビの事業会社に出向してからキャリアが変わり、投資管理室長という立場で、それまでの事業投資というよりは、ケーブルテレビサービスを支える光ファイバー等のインフラ構築や、社内の基幹システム等に関し、いかに効果的・効率的な投資を行うかを検討・審査する業務に従事しました。2023年の4月に住友商事に帰任し、新しく金属事業部門や輸送機・建機事業部門の投資支援・審査業務等を担当することになりました。


同時に、100%子会社化した元上場企業で社外取締役に就任し、新しいチャレンジの機会を得ています。社外取締役として他の取締役や経営陣と共に、会社の成長に向けた多面的・戦略的な議論ができるよう、日々試行錯誤しています。




竹井

私はキャリア採用でリスクマネジメント部に入りました。大学時代、企業価値を数字に置き換えるバリュエーションのプロセスにとても興味があったので、新卒では証券会社に就職。当初は直接金融を学ぶ下積みとして個人営業を担当しました。2年目に証券アナリストの資格を取得し、念願の株式アナリストの職に就き、その後、自己成長のために規模の大きな金融機関に転職。M&Aファイナンスの行内審査をサポートするバリュエーション関連業務や、産業調査業務に計8年間従事しました。

竹井 康活 / Yasukatsu Takei …リスクマネジメント第三部チーム長


金融機関でのアナリスト業務は、自身にとって貴重な経験でしたが、やればやるほど、もっと現場に近いところで自分の専門性を発揮し、また社会に貢献できる余地はないのかと思うようになり、転職を決意。転職先としてスターアップやコンサルティング会社も検討しましたが、「ビジネスの多様性・奥深さと自己成長を実現できる器の大きさ」というところで総合商社に惹かれ、転職しました。



当社入社時は、メディア・ライフスタイル事業部門の投資支援・審査業務等の担当として採用され、インターネットビジネスをはじめとする事業会社を対象とした投資関連業務に従事。その後、グループ内のシンクタンクへ約4年間出向し、インハウス視点での産業・企業分析業務に従事する経験や、資源・化学品事業部門や欧州地域組織の投資支援・審査業務等を担当。当該業務に留まらない人材育成の観点から、地域の経営企画業務もさせて頂き、現在は輸送機・建機事業部門を対象とした投資支援・審査等の業務を行っています。




伊藤

私はアジア大洋州住友商事へのキャリア入社を経て、東京にある住友商事本社にキャリア採用として入社しました。


幼少期を海外で過ごした経験や海外留学の経験があったので、漠然と海外に関わる仕事に興味がありました。大学では、米国公認会計士の資格(USCPA)の試験に合格し、金融機関でインターンとして働いていたこともありましたが、当時はリーマンショックの影響で、金融機関を取り巻く状況が激変していたことから、卒業後は監査法人へ就職し、金融機関向けのアドバイザリー業務に従事しました。その後、金融機関の業務に携わりたいと思い、外資系証券会社へ転職。為替や債券等の金融商品のリスク管理や時価評価、新規プロダクトのスキーム検討やキャピタルマネジメント等に関わる業務に3年ほど従事しました。

伊藤亜梨沙 / Arisa Ito …リスクマネジメント第三部部長付

20代後半では、キャリアの観点から視野をさらに広げるために、アメリカの大学院へ2年留学しました。留学先で出会った友人の中には、総合商社から留学されていた方もいて、お話をする中で「事業会社に寄り添って支援できる業務に携わりたい」と思うようになり、大学院卒業後はシンガポールに拠点を置くアジア大洋州住友商事へ入社し、投資支援・審査業務等を担当しました。


アジア大洋州という地域の特性もあり、投融資案件の支援を行う一方で、新規投資案件に関するソーシング支援、新規市場開拓、地場パートナーとの協業検討等、非常に幅広い領域で現場に近い立場で事業会社を支援する機会もありました。その後、住友商事本社へキャリア採用として入社し、現在は、輸送機・建機事業部門における投資支援・審査業務等を担当しています。





「このビジネスをドライブしていこう」という気概・独自の視点がある人が、リスクマネジメント部を強くする


ーどのような方が、リスクマネジメント部にいらっしゃいますか?


穴田

キャリア採用で入社される方は、例えば元々コンサルタントをやっていてクライアントが行う事業投資をサポートしてきたけれど、「アドバイザー」として関与するに留まらず、事業投資・経営を自分で推進したいという気持ちをもったことを動機とされることが多いです。


リスクマネジメント部では、企業価値最大化に向けて、専門家としての立ち位置から適切なアドバイス・サポートを行うことが求められますが、同時に担当する案件を「自分事」として捉え「自分だったらどうするか・どのように貢献できるか」を常に考えながら営業部隊の壁打ち相手になることも期待されています。そのため、専門性はもちろん、いざとなれば自分も現場に出て、事業を回していきたいという強い思いがある方は、リスクマネジメント部の仕事にとてもフィットしています。そういう人材が参画すると、組織が成長しますし、周囲のメンバーの考え方も更新され、多くの相乗効果が見込めます。「現場に出て企業価値最大化に貢献する」という彼らのキャリアパスの実現に向けて、思考を巡らすようにしています。


穴田圭/竹井康活/伊藤亜梨沙


竹井

私や伊藤さんのように外部金融機関出身者の視点と、異なる産業から来られた方やコンサルティング会社から来られた方などのさまざまな外部人材の視点が入ることで、リスクマネジメント部の価値が上がってきており、今後、更に上げなければいけないと思っています。


そういう観点でいうと、「独自の視点」をもっている人の存在が、我々の組織を強くするのではないでしょうか。案件に集中していると、時に自分の視点だけで判断してしまいがちですが、リスクマネジメント部の仕事で求められるのは、全社最適。さまざまな視点をもった人がいることが、我々のミッションである「株主を含む多様なステークホルダーにとっての企業価値最大化」を丁寧に議論する機会の担保に繋がっていると実感しています。



穴田

外部のいろいろな専門性をもった人の視点が入ることで、私たちはリスクマネジメント部の業務の質や戦略議論の深さを再確認することができます。またその視点は、足りていないところを再認識することにも大きく貢献しています。キャリア採用者がもたらす「独自の視点」が起爆剤となり、組織としてもう一歩・二歩・三歩と先に行くことができる。そんな役割を期待していますし、現在既にそのようになっていると思っています。




非常に強い連帯感がある一方で、社内外にもオープンな、女性も働きやすい組織


ーリスクマネジメント部は、どのような組織ですか?



穴田圭/竹井康活/伊藤亜梨沙

竹井

キャリア採用で入社してから約15年経ちますが、企業価値の向上という最終的なゴールを見据えて同じ釜の飯を食べてきたような、強い連帯感を感じますね。そのような同質性がある一方で、私や伊藤さんのようなキャリア採用のメンバーに対しても非常に寛容であるなど、社外・社内にもオープンで柔軟な組織であることが、非常に惹かれているところです。


リスクマネジメント部に留まらず、現場に行ったり事業会社で経営職を務めたりと、さまざまなキャリアパスを個々に歩む中で、どこかでリスクマネジメント部の業務を経験したという軸を自己認識し、その軸を通じて仲間と繋がることができる。そのような点でも、非常に良い組織だと感じています。




伊藤

住友商事にキャリア採用で入社した当初は、「住商用語」になれるのが大変だったという記憶はありますが、他方で、リスクマネジメント部の業務概要や社内規定に関する社内研修が非常に充実しており、キャリア採用者の受け入れ態勢は整っていると感じます。同僚との連携や多様性・人材育成を重視する組織風土なので、「組織全体で情報を共有しながら一緒に課題に取り組む」という環境が整っていて、何か困ったこと等があれば年次や立場に関係なく相談しやすい雰囲気です。




穴田

管理職は皆、多様なメンバーから良い刺激を受けるために、キャリア採用の方が積極的に発言できる組織づくり、マイノリティにならないようなオープンな組織づくりを心がけています。


具体的には、頻度高くコミュニケーションすると共に、心理的安全性の高い環境づくりを意識しています。メンバーの良さが出るように、自分の意見や提案を、積極的に発信していけるような関係性づくりが重要な目標だと考えています。




竹井

キャリア採用で入社すると、自身の専門領域を中心に即戦力になることが求められますが、正直、商社での働き方など自身の過去のキャリアで積み上げたスキルだけでは通用しないケースもありました。ですが、リスクマネジメント部の良さは、新卒でもキャリア採用でもそのような状況を受け入れ、OJTや直属の上司に留まらない多様なメンバーから指導を受けたり、人事の研修も充実しているなど、単なる社内制度に留まらない「人を育てるカルチャー」が整っていることです。この点は、私が入社した当時より更に進化しているので、そうした寛容的で学びやすい組織の中で、自分の専門性を活かしながら働けるのは、ありがたいことだと思います。




伊藤

女性社員としても安心して働ける環境だと思います。体調や安全を気遣って頂いたり、テレワーク制度が導入されているので、個々人の事情に配慮した環境の中で効率的な働き方が重視され、とても働きやすいと感じています。年次や経歴に関係なく、やる気と実行力があれば色々とチャレンジできるので、さまざまな成長の機会が得られる職場だと感じています。


伊藤亜梨沙 / Arisa Ito …リスクマネジメント第三部部長付







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